生命医薬コースの西教授らがDNA修復の初期過程を制御する仕組みを解明し、その研究成果がScientific Reports誌に掲載されました!

生命医薬コースの西教授らは、DNA修復の初期過程を制御する仕組みを解明し、その研究成果がScientific Reports誌(Impact Factor 4.9)に掲載されました。

重篤なDNA損傷であるDNA二本鎖切断 (DNA double-strand break: DSB)の修復は生命に必要不可欠です。その修復過程においては、一時的にDNA-RNAハイブリッドを含む構造が形成されることが分かっており、その形成と解消のメカニズムは特に注目を集めています。今回の研究で西教授らは、DNA-RNA hybridの形成には、PARP1と呼ばれる酵素によるpoly ADPリボシル化反応が必要であることを明らかにしました。さらに、形成されたDNA-RNA hybrid構造は、DHX9と呼ばれる酵素によって解消されることを明らかにしました。これに加えて、DHX9は、DSB修復経路の選択に関わる因子 (53BP1)のDSB部位への動員を抑制することを見出しました。驚くべきことに、これら一連の反応ではDSB発生から2分以内に重要な段階があることが示唆され、これまで考えられてきたよりもかなり早い段階でDSB修復経路の決定が行われていることが示唆されました。本研究は、これらの事象がDHX9の一つのドメインと、その翻訳後修飾によって担われていることを合わせて見出しており、DNA-RNAハイブリッド制御を中心としたDSB初期応答という新たな研究領域の開拓につながっています。

著者:Yuina Tsuchiya, Yudai Hiwatashi, Hayaki Ikegame, Saaya Matsuya, Yurina Abe and Ryotaro Nishi
タイトル:Dual roles of the DHX9 RGG domain in hybrid-dependent recruitment and suppression of 53BP1
掲載雑誌:Scientific Reports, 2026
URL:10.1038/s41598-026-59280-6