水環境工学(浦瀬・後藤)研究室の大学院博士課程の周 帥さんの研究成果がJournal of Water Process Engineeringに掲載されました!
水環境工学(浦瀬・後藤)研究室の大学院博士課程の周 帥さんの研究成果が国際学術雑誌「Journal of Water Process Engineering(インパクトファクター 6.7)」に掲載されました。膜を用いた排水処理方法は、そのコンパクト性や安定した処理水質により、徐々に普及してきています。膜は優れた細菌除去性能を持ちますが、排水処理の際に、処理水の塩素消毒の必要性についてはいくつかの見解が対立し、排水処理を膜で行う場合でも塩素が添加されてきました。塩素消毒は放流水域の生態系に大きな影響を与えることから、その是非は公衆衛生的な観点と生態系への影響の両面から検討する必要があります。
本研究では、孔径の小さな膜の透過水では、OP3, OD1などの培養困難な微小細菌と考えられる細菌が全細菌の半分程度を占めていることを、次世代シーケンサーを用いて示しました(下図)。膜透過水に含まれる微生物群集の情報は水処理にかかわる微生物学の進展に大きく寄与します。本研究により、膜処理水に含まれる注意を要する細菌の詳細が明らかになり、今後膜処理の一層の普及に貢献すると期待されます。

著者:Shuai Zhou, Saki Goto, Taro Urase
タイトル:Presence of unculturable bacteria in the permeate of microfiltration membranes with various pore-sizes in wastewater treatment
掲載雑誌:Journal of Water Process Engineering, (2025) 76, 108182
URL:https://doi.org/10.1016/j.jwpe.2025.108182